友だち同志でさえ嫌がられます。会社の中で偉くなればなるほど、愚痴も自慢話も増えていきますが、いくら聞いて欲しくても部下や同僚に言えるはずもありませんし、妻や子供にも話す事をためらってしまいます。
だからこそお金を払ってお店に来る、のだと覚悟を決めてしまうことです。
皆が敬遠する話を、嫌な顔ひとつせずに聞いて、相槌を打って肯定してあげて、話の続きをせがまれている間、お客様は主人公であり語り部です。
語り終わった後には、人には言えない話を共有した連帯感と親密さが残ります。
本当の自分を出せる場所として、会社でもなく自宅でもないお店に帰ってくる。
そう感じたお客様は簡単に他所の店には浮気をしません。
さすがに毎回同じ話を聞くのはつらい、と感じる事もあるでしょうが、その状況こそまさにお客様を手のひらの上で転がしているという事です。
話の起承転結をすでに知っていますので、あんまり集中しなくても聞いている振りをする事ができます。
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